ハッピーフライト』

関空での撮影とANAの全面協力でこそ完成した、ある意味必見の映画です. 見る前は綾瀬はるかさんがかつての堀ちえみさんのように「教官! 」と叫ぶ成長物語かと思っていましたが、空港で働く様々な人をグランドオーケストラ方式で描く群像劇に結構楽しませてもらいました. 特に飛行機好きの方は是が非でも必見の映画ですね. まずこの映画の凄いところは実際に関空で撮影したり、間近で飛行機を撮影したりしているところ. セットでは決して出せない広い空間風景はもちろんのこと、離陸する飛行機の車輪部分から滑走路を撮る映像には驚かされました. まさにANAの全面協力があったからこその映像. これは本当に凄いです. また『ターミナル』や『狂っちゃいないぜ! 』以上に空港で働くいろんな人たちを丁寧に、そしてコミカルに描いているのも実に面白いところ. キャビンアテンダント、操縦士、カウンタースタッフ、整備士、管制塔、気象予報などをバラバラに描きつつも、その全てのエピソードに経験の浅い若手や新人がいるのが大きなミソになっているのも面白かったです. 若手教育及びベテランが尊敬の眼差しで見てもらえる一番の機会こそ危機的状況の時と言いますが、PCが苦手なノンベンダラリ親父が落雷をきっかけに大活躍したり、堅物機長がちょっとずつコミカルになったり、怖い整備士が新人を優しく見守ったり、ベテランの鬼CAが先輩としての優しさを見せたりするところが何とも気持ちいいんですよね. ちなみに一番お気に入りは「13時に喫茶店で待ってます」のエピソード. 私はこれまで飛行機に乗ったこともなければ空港に行ったこともないのですが、もし空港でトランクを間違えられてグランドスタッフさんにお世話になった時は名刺を渡して喫茶店で待ってみたいと思います. New Balance 576 BEAMSとのコラボレーベルプロデュース その他にも空港で鳥を追っ払う専門スタッフがいることも初めて知りましたし、飛行機マニアもある意味安全なフライトの役に立っていることや緊急着陸時にはカツラを取らなくていいことも勉強になりました. その綾瀬はるかさんの「お客様は取らなくて大丈夫ですよ」発言以外ではそんなに爆笑できるシーンはなかったものの、最後まで十分楽しめる映画でした. そして今回は矢口史靖監督作品常連の竹中直人さんの出演はなしかと思っていたところでのあのEDロールもサービスが効いてて、思わず「グ」や「チッチキチ」とは言わずに黙って親指を挙げてしまいましたよ. 深夜らじお@の映画館 はこの映画で夢を売る仕事の大変さを学びました.