日本以外全部沈没』

あけましておめでとうございます. 本年も一年よろしくお願いします. さて通常なら年明け一発目は映画館で見た作品のレビューといきたいところなのですが、悲しいことに私が見たい作品を上映している映画館が全て元旦は休映. という訳で昨年末に深夜放送されていたこの映画をあえて選んでみたいと思います. 昨年QTやらRRやら何かとB級テイストの映画を見ることの多かった一年でしたが、この映画も負けず劣らずB級、いやそれ以下でしたね. もともと小松左京先生原作で過去2度映画化された『日本沈没』を 『時をかける少女』 や 『パプリカ』 の筒井康隆先生が 小松左京先生に許可を得て 書き上げ、しかもきちんと小松先生に読んでいただいてから出版したという作品だそうで、そのパロディぶりは結構いい感じです. 特に映画全編に散りばめられたブラックユーモアが実に面白いです. アメリカ大陸が沈没すると大統領は逃げ出しバニーちゃんの尻尾に夢中. 1ドル=5銭になるとつぶやきシロー大家さんに家賃が払えないオスカー俳優は風俗の呼子をする始末. さらにショボいブルース・ウィリスと痩せこけたアーノルド・シュワルツェネッガーがバーで10円や5円のためにド下手な演技をする情けなさ. ナイキサッカースパイク これだけではありません. ウルトラマンのような怪獣と戦うヒーローが外国人をやたら踏み殺す特撮ドラマを作れば視聴率が上がり、日本に馴染めない外国人は一定期間を過ぎると国外追放になるという法律までできてしまいます. このブラックさはまるで戦前の軍国主義の日本像を見ているようで、様々な文化を受け入れ成長する日本独自の美徳観念を忘れ去った日本人ほど排他的で卑しい島国根性を持っているのではないか? などと色々考えさせられました. で挙句の果てに中国と韓国の首脳が日本による侵略の歴史など忘れたと言っては安泉純一郎首相(←この名前も凄いですよね)におべんちゃらしていたら、某国の独裁者さんが部下4人を連れてクーデターを起こすんですもん. 藤岡弘隊長、もとい防衛大臣も国会議事堂を吹っ飛ばしていましたし、ここまでくるともう何でもありって感じでしたね. そしてラストはろうそくの灯りをみんなで大切そうに眺めて、日本も沈んで終わり. この完全に陸地のなくなった地球で終わるセンスは凄く面白いです. さすが筒井康隆先生、そして「私は日本の恥になりたい」と宣言されている河崎実監督. この正月に不釣合いなアホらしきセンスに元旦から賞賛の拍手を贈りたいと思います. 深夜らじお@の映画館 は正月からこんなレビューを書くようでは精神が病んでいるのかも知れません. DXラジオ】"翻訳しすぎない翻訳"とは?