ユーロ一時96円台、11年半ぶり最安値水

欧州の政府債務(借金)危機への不安から、31日のニューヨーク外国為替市場では欧州共通通貨「ユーロ」が売られ、一時1ユーロ=96円48銭まで値下がりした. 2002年1月にユーロが現金として出回るようになってからの最安値(97円04銭)を4カ月半ぶりにぬりかえた. 現金流通前を含めると、00年12月以来、約11年半ぶりの円高ユーロ安水準. ユーロ相場は、ギリシャ政府の債務を減らす交渉が決着したことなどを受け、3月末には1ユーロ=110円を超える水準まで買い戻されていた. ところが、5月6日のギリシャ総選挙で連立与党が敗北したことでギリシャの財政不安が再燃. さらにイタリアやスペインにも危機が飛び火するとの心配から、ユーロ売りが止まらなくなった. 特にスペインでは、経営難に陥っている大手銀バンキアの救済をめぐり、公的資金の注入が求められている同政府の財政も苦しくなるとの見方が強まっている. スペインが発行した国債が売られて価格が下がり、その分、金利が上がっている. 10年物国債の利回りは31日も6%台半ばで推移しており、「危険水準」とされる7%に迫っている. ニューバランス レディース 相対的に安全資産とみられている円を買う動きは止まらず、円はドルに対しても1ドル=78円台前半まで円高が進んでいる. (畑中徹=ニューヨーク、斎藤徳彦).